/ 最近 .rdf 追記 編集 設定 本棚

脳log[20070916] 少女コレクション序説, 羊のなる木, オーディンスフィア



2007年09月16日 (日)

[PS2] 少女コレクション序説, 羊のなる木, オーディンスフィア

オーディンスフィアという PS2のゲームにバロメッツの種というアイテムがあり、育てると羊が生り、地面に落ちると走って逃げる。これ以外にも種は各種あるがそれらは普通の実を付けるだけにバロメッツの種だけが異彩を放っていた。

で、『少女コレクション序説』を読んでいたら羊の木が出てくるのだな。羊のなる木なんて随分とっぴなアイディアだと思っていたら、由緒正しい空想だったわけだ。

この植物=羊の話は、オデリコの書物から多くを剽窃したとおぼしいサー・ジョン・マンデヴィルの『東方旅行記』(一三六〇年ごろ)にも、そっくりそのまま出ている。すなわち「ひょうたんに似ているが、それよりもっと大きな果実を生ずる樹がある。その熟した果実を二つに割ると、なかに肉も血も骨もある獣が一匹はいっている。その国の住民は、この獣も果実も食用とするが、まるで小さな羊のようである」と。

この果実を割らないで、そのまま放置すると、やがて、自然に殻が裂けて、小さな羊が飛び出してくる。そうして仲間同士集まって、一団の群をつくるが、彼らはそれぞれ、臍の緒に似た一種の管によって地面と固く繋がっているので、樹のそばを離れたり、遠くへ行ったりするようなことは決してない。

マンデヴィルは、この羊を食べたとは言っていないが、十七世紀初めのフランスの博物学者クロード・デュレの『驚嘆すべき植物譚』(一六〇五年)によると、この羊の肉は「ザリガニの肉に似た味がする」そうである。また、その毛皮は羊毛のように保温の役に立つので、季節には商人が摘み取りに行くという。オデリコの書物では、この植物を産する地方は。インドに近い熱帯のカディリという国になっているが、ヴァンサン・ド・ボーヴェの『自然の鏡』(一四七三年)などでは、「スキタイの羊」という言葉が使われている通り、ヨーロッパ東南部の黒海、裏海方面に産するものと信じられていたようである。十六世紀の初め、皇帝マクシミリアン一世の大使としてモスコウに派遣された外交官ヘルベルスタインの見聞録『ロシア事情解説』(一五四九年)にも、この植物=羊の話は出ていて、それはサマルカンド地方に産し、「イラン人は誰でも帽子の裏に、この羊の毛皮を用いる」などと書かれている。

(pp203-204)

検索:スキタイの羊

検索:バロメッツ

ぷよぷよでバロメッツとかいう羊と戦ったことがある気がしてきた。

See also...

listed by...